2014年1月18日土曜日

映画:『エリジウム』

~ストーリー~
2154年、環境汚染や人口爆発による地球の荒廃から逃れるため、
富裕層はスペースコロニー”エリジウム”を建設し、
高度なテクノロジーがもたらす生活を謳歌していた。
一歩地球はスラム化し、まともな医療を受けられない人々で溢れかえっていた。
そんな中、工場で働くマックスは不慮の事故により致死量の放射線を浴び、余命5日と宣告される。
エリジウムでの医療を受けるために、
マックスは密航の手引きをしている男スパイダーに会い、
エリジウムの人間の脳に埋め込まれたデータを盗むように指示を受ける。
仲間を失いながらも作戦は成功。
しかし、盗み出したデータはエリジウムそのものの存在を根本から覆しかねないものであり、
マックスはエリジウムの防衛庁長官デラコートやその部下であるクルーガーから命を狙われる事となる。

マット・デイモン、ジョディ・フォスター主演のSFアクション。
支配からの解放というサイバーパンクの基本をなぞった内容で、ストーリーは極めてシンプル。
だが、本題に入るまで(約20分)が長過ぎて退屈な一方、
入ったら入ったで、登場する敵役が見事にアホばかりで、
ストーリーを無理矢理長くするような事ばかり引き起こす。
全体的に冗長さを感じさせる作品。
アクションにも特筆すべき点はない。
坊主頭で大リーガー養成スーツを着たマット・デイモンがワイヤーアクションを繰り広げるという、
ファンによっては悪夢の光景ともなりかねないB級映画感を楽しめるなら良いかも。
それにしても、マット・デイモンに限らず、
ジョディ・フォスターやシャールト・コプリー(『第9地区』)など、
演技力のある俳優が主要キャストを務めており、
キャラクターのシリアスさとストーリーのハチャメチャさに始終齟齬を感じる。

2013年12月31日火曜日

映画:『マン・オブ・スティール』

〜ストーリー〜
幼い頃から他人とは違う能力を持っていることに苦悩していたクラーク。
ある日、彼はクリプトンという崩壊した星の生き残りであるという出自を知ることとなる。
その頃、クラークと同じく、クリプトン星の生き残りであるゾッド将軍が地球に襲来。
クリプトンを再興すべく地球人とクラークに戦いを挑む。

『ダークナイト』シリーズのクリストファー・ノーラン製作総指揮、
『300』のザック・スナイダー監督によるスーパーマン新シリーズ。

この作品は、スーパーマンについての知識や思い入れがないほど楽しめる映画である。
特に、
○本作のクラーク・ケントは33歳にして未だ自分探しをしているフリーター。
○街が崩壊して人々が危機に陥っても構わず敵と戦い続けている。
という2点についてはこれまでのスーパーマン像とはまったく異なる。
したがって、いわゆるスーパーマンを観たいと思って本作を鑑賞すると肩透かしを食らうだろう。
ただ、そうでない人も楽しめるかと言うと、それも微妙。
クラークが出自を見つけるまで1時間、
そこからなんやかんやがあって約15分、
ほとんどアクションがなく、
ひたすら33歳のおっさんのアイデンティティー探しと、
幼少期の思い出話を鑑賞しなければならず、非常に退屈。
そんな所は無駄に丁寧なくせに、
地球人とクリプトン星人が普通に英語で会話してたり、
いち新聞記者が辿り着いたスーパーマンの正体をアメリカ政府がいつまで経っても把握できてなかったりと、
適当な部分もまま目立つ。

続編の製作が決定しており、バットマンと共演するとの話もある。
前半のグダグダは次作では省けるため、
もう少し痛快なものになるかも知れない。
本作ではスーパーマンの弱点であるクリプトナイトや、
宿敵レックス・ルーサーが姿を見せていない。
この辺りとバットマンの絡みがあればそれはそれで面白そう。

2013年12月30日月曜日

映画:『パシフィック・リム』

〜ストーリー〜
突如現れた巨大地球外生命体KAIJU。
人類は人型兵器イェーガーを操り戦いを挑んでいたが、
次々と出現し進化し続けるKAIJUに苦戦を強いられ、
世界は滅亡の危機に瀕していた。
いよいよ最終決戦に臨まんとしたその時、
過去最大級のKAIJUが姿を現した…。

ギレルモ・デル・トロ監督によるロボット映画。
巨大ロボットで巨大怪獣と戦うというプロットが、
怪獣映画というよりは日本のロボットアニメを彷彿とさせる。
『インデペンデンス・デイ』とまったく同じストーリーで、
空軍とUFOの戦闘シーンの代わりに、
『トランスフォーマー』のプロレスが挿入されている、
といった感じの映画。
巨大ロボットと怪獣が画面所狭しと暴れ回るシーンを観て興奮する、
それだけの映画でありそれ以外を目的とした鑑賞はお断り。
ヒロインに菊地凛子、また、そのヒロインの幼少期を芦田愛菜が演じている。

2013年12月28日土曜日

映画:『YES/NO』

〜ストーリー〜
大恋愛の末に結ばれたジャックとケイト。
順調な新婚生活を送っているはずのふたりだったが、
ある日、ジャックが目を覚ますと、
彼は扉も窓もない部屋に幽閉されていた。
あるのは必要最低限の生活品と、
デジタル式のメッセージボード、
そして、「Y」と「N」のボタン。
やがて、少しづつケイトの秘密が明らかにされ、
ジャックは極限状態に追い詰められていく。
その頃、ケイトも同じタイプの部屋に幽閉されており、
自分の知らないジャックの一面を垣間見る事となる。

相手の秘密に関するクイズに答えながら、
間違うときっつい罰を与えられるという、
ダチョウ倶楽部も真っ青な部屋に閉じ込められた、
一組の新婚夫婦の様子を描いたソリッドシチュエーションスリラー。
この手の作品の割に、
こけおどし的な場面がほとんどなくグロ描写もほとんどない。
ちょっとだけハラハラドキドキしてみたいという時には良い映画だと思うが、
SAWやCUBE辺りが好きな人にとっては物足りないかも知れない。
とは言うものの、
物語をどう好意的に解釈しても理解不能な場面があったりで、
特別優れた作品というわけでもない。

2013年12月15日日曜日

映画:『鑑定士と顔のない依頼人』

~ストーリー~
世界的に有名な骨董品の鑑定士でありオークショニアであるオールドマン。
彼の元にクレアと名乗る女性から、
亡き父が遺した骨董品の数々を鑑定するよう依頼が入る。
彼女は広場恐怖症という精神疾患にかかっており、
オールドマンを公私に渡り翻弄する。
しかし、交流を深める内に愛が芽生え始め、ついにふたりは結ばれる。
クレアの病状も急速に回復し順調に見えたふたりの結婚生活。
しかし、それでもなおクレアには秘密があることをオールドマンは知る由もなかった…。

『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、
パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズにおけるキャプテン・バルボッサの怪演が記憶に新しいジェフリー・ラッシュを迎え製作したミステリー。

ストーリーの全てが伏線。
全ての謎や鑑賞中に感じた違和感がラストのどんでん返しで見事に氷解される。
そんなサスペンスとしての構成の巧みさもさる事ながら、
登場人物が織り成す重厚な人間ドラマも見もの。
この辺りはさすがジュゼッペ・トルナトーレ監督。
半券の提示で2回目1000円というキャンペーンが行われているが、それも納得の出来。
ややネタバレになるが、プロットとしては『dot the i』に似た部分があり、
両作品ともオススメしておきます。

2013年12月1日日曜日

映画:『シェルター』

〜ストーリー〜
多重人格を否定する精神科医カーラは、
同じく精神科医である父からデヴィッドと呼ばれる男を紹介される。
デヴィッドは多重人格が疑われるだけでなく、
人格が交代する時に脊椎の構造まで変化するというあまりに特異な体質の持ち主であった。
彼の正体を暴くべく奔走するカーラであったが、
やがて彼女の周囲で不可解な出来事が起こり始める。

ジュリアン・ムーア主演のサイコホラー。
物語の中盤まではよくあるサイコサスペンスとして普通に観られるのだが、
時が経過するに連れてどんどんストーリーが破綻。
真相が明らかになっても他のシーンとの整合性が取れず、
気分がモヤモヤしたままエンディングを迎えてしまう。
最後のとあるシーンも普通なら驚きをもって迎えられるはずだが、
蛇足的で白々しく見えてしまう。