2013年10月14日月曜日

映画:『フッテージ』

〜ストーリー〜
ノンフィクション作家のエリソンは、
新作の執筆のために家族を連れ、
かつてある一家が殺害された一軒家に移り住んだ。
引っ越しの最中、エリソンは屋根裏部屋で8ミリフィルム=フッテージを見つける。
そこには時代も場所も異なる一家が様々な手段で惨殺される様子と、
それを見つめる醜い仮面の男の姿が収められていた。
事件の謎を解き明かそうとするエリソンだったが、
やがて彼の身の回りで不可解な現象が起こり始める。

『トレーニング・デイ』『ガタカ』のイーサン・ホーク主演のホラー映画。
『パラノーマル・アクティビティ』をPOVなしでとってみましたという感じの作品だが、
ストーリーに目新しさがある訳ではなく、
暗闇をうろちょろして何やってるのかよく分からないシーンが多いため、非常に退屈。
一番の見せ場が夫婦喧嘩のシーンである事が本作の一番恐ろしいところである。
途中に何度か現れるエンディングに向けての予兆のようなシーンも蛇足で興醒め。
しかし、アメリカでは興行収入1位を記録し、続編の構想があるらしく、
アメリカってこんな映画が好きだしそれを商売に繋げるのが上手いよなぁ、
と映画本編以外の部分に感心。

2013年10月13日日曜日

映画:『オブリビオン』

〜ストーリー〜
近未来、地球は異星の生命体スカヴによる侵略を受けた。人類は何とかこれを退ける事に成功したが、核兵器の使用により地球は荒廃し人類が棲息できない地となってしまった。
宇宙に逃げ延びタイタンへの移住を目論む人類は、海水から核融合に必要なエネルギーを抽出するマシーンを設置。
ジャックはスカヴの残党と戦いながらマシーンを保全する任務に就いていたが、5年前の記憶を消去されていた。それでもなお残るかつての記憶、荒廃したはずの地球に残された自然、数々の不可解な現象に違和感を覚えながら・・・。
ある日、謎の飛行物体が地球に墜落。そこには彼が毎晩夢に見る女がいた。飛行士である彼女のフライトレコーダーを回収するために本部に無断で出撃したふたりは墜落現場で襲撃される。
ジャックが目覚めた時、そこにはいるはずのない侵略戦争の生存者がいた・・・。

トム・クルーズ主演のSFアクション映画。
SF映画ファンなら「この場面ってあの映画に似てるな」というシーンが満載なのだが、
全体的にはスッキリまとまっていると思う。
最近のSF映画というとリアリズムの台頭があるのか、
近未来ものだったり荒廃した未来都市を舞台にしたものが多くて、
本作のように白を基調とした未来のテクノロジーを全面に押し出したSF映画が本当に減っている気がする。
この点においてだけでもなぜだな好感が持ててしまう。
中盤から終盤にかけて幾つかのどんでん返しもあり、
普段SF映画を観ない人こそ楽しめる作品になっているのではないか。
ただ、ラストシーンが必要なのかどうかについては大いに疑問の残るところではある。
個人的には無くても良かったかなと思う。

2013年8月19日月曜日

映画:『LOOPER』

〜ストーリー〜
30年後の未来から送られてくる人間を殺害するルーパー。
その一人であるジョーは、日々転送されてきた人間を銃で撃ち、稼いだ金でクスリと女を買う自堕落な生活を送っていた。
しかし、ある日、いつも通り仕事を済ませようとした彼の目の前に、30年後の自分が転送されてきた。
不意を突かれ逃げられたジョーは、組織からの制裁を恐れ、
未来の自分を殺害するために画策するのだが…。

『G.I.ジョー』『インセプション』『ダークナイト ライジング』など近年活躍目覚ましいジョゼフ・ゴードン=レヴィットと、ブルース・ウィリスが共演した近未来SFアクション。
映画の設定を確認しておくと、

◇2044年。アメリカは経済が破綻しており住民の多くがスラムに住むか浮浪者となっている。警察もほとんど機能していない。逆にフランスや中国はおおいに発展している。また、人口の10%に念動力が発動している(と、言ってもライターを宙に浮かせるくらいのもの)。
◇太陽光で動く車や空飛ぶバイクもあるにはあるがボロボロでDIY感満載(例えば、車はソーラーパネルもボンネットにパネルを貼り付けただけのものであるとか、バイクのエンジンボタンがちゃちいプラスチック製のボタンだったり)。
◇30年後にはタイムワープの技術が完成しているが、政府は使用を禁じており、犯罪者が邪魔者を消すために秘密裏に使用している。
◇30年後から転送されてきた人間を殺害するのがルーパー。ギャラは転送された者の背中に貼り付けられた銀の延べ棒。
◇ルーパーが契約を打ち切られる時は未来の本人が送られてきて、ギャラも金の延べ棒に変わる。これをループを閉じると呼ぶ。
◇近未来では"レインメーカー"と呼ばれる男が恐怖政治を敷いており、ループを閉じる事も積極的に行っている。
◇未来のジョーは愛する妻の殺害をなかったことにするために、30年前にはまだ子どもであったレインメーカーを殺害し未来そのものを改変しようとしている。

と、こんな感じで、
『バタフライ・エフェクト』『X-MEN』『ターミネーター』など、ありとあらゆるSF映画の要素をごちゃ混ぜにして、
最後に『ダイ・ハード』並のブルース・ウィリス無双で味付けした作品。
結果、まとまってはいるがパンチに欠ける味になってしまった、という感じを受ける。
余分な具材を省けば他の具材が引き立って深みのある味に仕上がったかも知れないけど、
そうなったらそうなったでこの映画の魅力を無くす事になりそうなので判断に非常に迷う。
だったら詰めれるもの全部詰め込んどけ!と考えるのはあながち間違いではないかも知れない。
不思議と完食はできてしまうし。

2013年8月14日水曜日

映画:『ワールド・ウォーZ』

~ストーリー~
人間が凶暴になる謎の感染症が世界各地で広まりを見せていた。
ジェリーはかつて国連に所属し、
内戦や紛争解決のエキスパートとしてその任に就いていたが、
現在は引退し愛する家族と心穏やかな生活を送っていた。
しかし、家族と出掛けたマンハッタンで、
人間が人間を襲い、襲われた人間がまた他の人間を襲うという光景を目の当たりにする。
何とか被害から逃れる事のできたジェリーはかつての同僚から要請を受け、
家族の安全と引き換えに原因究明のために再び"戦地"に身を投じる。

ブラッド・ピット主演のゾンビ・パニック映画。
原作は「Z(=ゾンビ)戦争」を生き延びた人々へのインタビューという形式をとったマックス・ブルックスの同名の小説。
ゾンビそのものの恐怖よりも、
ゾンビの発生によるパニックとそれに伴う終末的世界を描く事に重きが置かれており、
パニック映画としての見方をした方が正解かも知れない。
血飛沫が上がるとかゾンビが内臓をくちゃくちゃと喰らうようなグロいシーンも皆無。
本作のゾンビは『28日後...』以降の「走る感染者」設定を踏襲しており、
走るだけでなく獲物に噛み付く時には飛びかかっちゃうほど元気一杯!
そんなゾンビが大量発生する場面は、
まさにゾンビ渦(禍)という言葉そのもの。
特に、大量のゾンビか壁をよじ登り街に侵入するイスラエルでのシーンは、
どうやって作ったのかが全く分からないほど無数のゾンビが出現し、
大迫力かつ本作の全てを象徴するシーンになっていると思う。

ただ、引っかかる点も幾つかあって、
まず、登場人物達の心理描写が弱い。
例えば、親がゾンビになり命からがら逃げた子どもはその後何もなかったかのように振る舞っているし、
家族の所在が不明になった主人公にしても一瞬悲しむだけ。
他にも家族や故郷を失ったという人物も出てくるのだけどほとんどが一言のセリフだけで終わっている。
この辺りを丁寧に描けば物語により深みが生まれただろうと思う。
ゾンビ映画愛好家の中には、
ゾンビ映画というのはグロいシーンを楽しむものではなく、
ゾンビ渦の発生により極限状況下に置かれた人間模様や心理を観るための映画という考え方をする人がいるくらいである。
その意味からいっても単なるパニック映画に留まってしまっている点が非常に残念。
また、アメリカが世界をどう見ているかが何となく見え隠れするようで、そこが気になる人もいるかも知れない。
例えば、発生源の一つであるとされる韓国の村は、いつの時代のどこの未開拓地だよと思うほど鄙びた描かれ方をしている。
上述のイスラエルのシーンにしたって、
せっかくイスラエルがアラブの難民を受け入れてやったのに、
野蛮に歌なんか大声で歌うから音に敏感なゾンビが寄ってきちゃった、とでも言わんばかり。
ラストでは、ロシアの事を解決策が見つかったにも関わらず戦いを続けるアホ国家扱い。
あー、きっとアメリカってそういう風に世界を見ているんだなぁ嫌だなぁと思う人も中にはいるはず(考え過ぎ?)。
あと、ド派手なシーンを中盤までに集約してしまう竜頭蛇尾的な構成も最終的に本作の評価を下げる原因になり得るのではないかと思う。
ゾンビが大量発生するシーンが前半に固まっているため、
後半の飛行機のシーンやある施設でのシーンはそれと比較してどうしても見劣りしてしまう。
その低くなってしまったままのテンションでエンディングを迎えるため、
何となく物足りないまま劇場を後にすることになる。
普通の映画ならやっぱり終盤に一番面白い所を持ってくるじゃないですか。
こういう映画の作りはパニック映画には結構ありがちで、
例えば、『デイ・アフター・トゥモロー』という映画の場合、
一番の見所であるブリザードで街がどんどん凍っていくシーンが早い内に訪れるので、
その後屋根から転げ落ちそうになるとかオオカミに襲われそうになるシーンが地味に見えて仕方がない。
え?これで終わり?となってしまう。

とは言え、お金がかかっているだけあって、
エンターテイメント性は十分にあるので、
映画でワクワクドキドキしたいという方にはオススメします。

2013年7月11日木曜日

映画:『アウトロー』

~ストーリー~
ピッツバーグでライフルによる無差別銃撃事件が発生した。
現場に残された証拠から、警察はすぐさま元陸軍のスナイパー、ジェームズ・バーを逮捕する。
取り調べの中でバーは「ジャック・リーチャーを呼べ」というメモを刑事と検事に渡す。
リーチャーは元憲兵隊捜査官で、現在は流浪の旅をしていた。
だが、リーチャーがピッツバーグに到着した時、
バーは同じ部屋に勾留されていた男たちから暴行を受け、昏睡状態に陥っていた。
リーチャーは、バーの無罪を信じる女弁護士と共に事件の真相を追う。

トム・クルーズ主演のクライムアクション。
前半までは残された手がかりから事件の真相を追うサスペンス要素に、
トム・クルーズ無双とでも言うべき肉体アクションが合わさって、
それなりに興味を持って鑑賞できるものの、
何の驚きもない事件の黒幕があっさりと登場した瞬間から、
ご都合主義的な展開が続く単なる泥臭いアクション映画に成り下がってしまった。
最後までサスペンス要素を引っ張れば良かったのに・・・。

2013年6月23日日曜日

映画:『ダークナイト ライジング』

~ストーリー~
稀代の犯罪者ジョーカーがゴッサムシティを恐怖に陥れてから8年の月日が流れた。
犯罪者を厳しく取り締まるデント法により、ゴッサムシティの犯罪率は激減していた。
だが、その秘密を知るウェインは身も心もボロボロのまま屋敷に引き籠り続けていた。
また、ゴードンも犯罪のないゴッサムシティではもはや「過去の人」であった。
だが、ふたりはある事をきっかけにベインという男がゴッサムシティを再び恐怖に陥れようとしている事を知る。

事前にビギンズとダークナイトの鑑賞は必須。
ストーリーの深さだけならダークナイトに軍配が上がるかも知れないが、
観客の感情を動かすという意味では本作の勝ち。
3部作の締め括りとして、これ以上ないものになっていると思う。
実際映画館にて上映終了後の観客の反応も興奮冷めやらぬといった感じの人が多いように思われた。
これは、結局のところ、バットマンがヒーローであるという事に尽きる。
どれだけ絶望に陥っても何度でも立ち上がって、最後には街を救ってくれる。
その姿に観客は共感し、主人公と同じ時の流れと感情を共有し、最後に悪をやっつけた気分になり、スッキリして帰る。
ヒーローものの醍醐味であり、本作はこれをとことん見せつけてくれる。
よくよく考えるとダークナイトは話は巧いけどこれがない。
ひたすらバットマンを突き落としていく。
しかし、本来のバットマンが上記したような英雄譚である事を考えると、
ダークナイトですら今作の前座にしか見えてくるからあら不思議。
とは言え、どちらが良いとか悪いとかの問題ではなく、
そもそもの性質が異なる作品であるという事だけなので、
いよいよシリーズがラストを迎えるという事で素直に鑑賞すればOK。
ただ、絶望の見せ方が半端ないのと、伏線がものすごく多いのと、
核から独裁政治からアメリカのテロ対策まで含まれているテーマが多過ぎるため、非常に疲れる。
実はアクションの数はかなり控えめなのだが、
ラスト20分のバトルは3部作の集大成とも言えるほどの大迫力。
キャットウーマンがくだんのバットマン専用バイクに乗って街中でバットモービルとチェイスするところなんてニヤニヤが止まりません。

新キャストとしては、
キャットウーマン役のアン・ハサウェイはミシェル・ファイファーに劣らず十分魅力的だったし、
『インセプション』からの登用組である、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(ディカプリオの相方だった人)、マリオン・コティヤール(ディカプリオのトラウマである妻を演じていた人)、トム・ハーディ(変身が得意だった人)らにそれぞれ大変重要な役柄が与えられており、
『インセプション』ファンなら違った意味でも楽しめると思う。