30年後の未来から送られてくる人間を殺害するルーパー。
その一人であるジョーは、日々転送されてきた人間を銃で撃ち、稼いだ金でクスリと女を買う自堕落な生活を送っていた。
しかし、ある日、いつも通り仕事を済ませようとした彼の目の前に、30年後の自分が転送されてきた。
不意を突かれ逃げられたジョーは、組織からの制裁を恐れ、
未来の自分を殺害するために画策するのだが…。
『G.I.ジョー』『インセプション』『ダークナイト ライジング』など近年活躍目覚ましいジョゼフ・ゴードン=レヴィットと、ブルース・ウィリスが共演した近未来SFアクション。
映画の設定を確認しておくと、
◇2044年。アメリカは経済が破綻しており住民の多くがスラムに住むか浮浪者となっている。警察もほとんど機能していない。逆にフランスや中国はおおいに発展している。また、人口の10%に念動力が発動している(と、言ってもライターを宙に浮かせるくらいのもの)。
◇太陽光で動く車や空飛ぶバイクもあるにはあるがボロボロでDIY感満載(例えば、車はソーラーパネルもボンネットにパネルを貼り付けただけのものであるとか、バイクのエンジンボタンがちゃちいプラスチック製のボタンだったり)。
◇30年後にはタイムワープの技術が完成しているが、政府は使用を禁じており、犯罪者が邪魔者を消すために秘密裏に使用している。
◇30年後から転送されてきた人間を殺害するのがルーパー。ギャラは転送された者の背中に貼り付けられた銀の延べ棒。
◇ルーパーが契約を打ち切られる時は未来の本人が送られてきて、ギャラも金の延べ棒に変わる。これをループを閉じると呼ぶ。
◇近未来では"レインメーカー"と呼ばれる男が恐怖政治を敷いており、ループを閉じる事も積極的に行っている。
◇未来のジョーは愛する妻の殺害をなかったことにするために、30年前にはまだ子どもであったレインメーカーを殺害し未来そのものを改変しようとしている。
と、こんな感じで、
『バタフライ・エフェクト』『X-MEN』『ターミネーター』など、ありとあらゆるSF映画の要素をごちゃ混ぜにして、
最後に『ダイ・ハード』並のブルース・ウィリス無双で味付けした作品。
結果、まとまってはいるがパンチに欠ける味になってしまった、という感じを受ける。
余分な具材を省けば他の具材が引き立って深みのある味に仕上がったかも知れないけど、
そうなったらそうなったでこの映画の魅力を無くす事になりそうなので判断に非常に迷う。
だったら詰めれるもの全部詰め込んどけ!と考えるのはあながち間違いではないかも知れない。
不思議と完食はできてしまうし。