※ややネタバレ注意
人類がエイリアンの襲撃を退けた「1996年の戦い」から20年。
外宇宙の敵の存在により人類は手を取り合い平和の時代を迎えるとともに、
エイリアンのテクノロジーにより科学技術を発展させ、来るべき戦いに備えていた。
しかし、墜落したエイリアンの宇宙船が密かに発信していたSOS信号により、
20年前よりもはるかに強大なパワーを持ったマザーシップが襲来。
再び地球を滅亡の危機に陥れる。
このままなす術なく滅びの時を迎えるかと思われた人類であったが、
そこに思いも寄らぬ味方が現れる…。
『ユニバーサル・ソルジャー』やあの悪名高き『GODZILLA』のローランド・エメリッヒが、
ウィル・スミスや『ジュラシック・パーク』『ザ・フライ』のジェフ・ゴールドブラムを迎え製作した『インデペンデンス・デイ』の20年越しの続編。
ジェフ・ゴールドブラムや大統領役のビル・プルマンらは続投し、
降板したウィル・スミスの代わりに『マイティ・ソー』シリーズのクリス・ヘムズワースの弟、リアム・ヘムズワースや、
脇役会一の名優ウィリアム・フィクナーらが主役を固める。
元々その御都合主義的な展開や、
アメリカ至上主義的なストーリーを批判されながらも、
1996年当時最高峰のSF技術となんだかんだで白熱するシーン満載のストーリーで大ヒットを飛ばした作品であったが、
今作は枚挙を挙げれば暇がないほど設定からストーリーから何もかもが酷過ぎる。
一例を挙げると、
○散々科学技術を発展させたのに一番苦戦させられたはずのバリア技術を全く研究していない馬鹿な人類。
○単なる赤外線でUFOの内部を事細かに観察できたくせに、とある理由による地球滅亡までのカウントダウンをたまたまUFOの近くにいたトレジャーハンターに任せるアホな人類。
↑おまけに何をどう計算したらそうなるのか、ずっと計測していたはずなのに土壇場になって5時間も計算をミスっていたというアホなトレジャーハンター。
↑それをサクッと受け入れるちきゅうぼうえいぐんの皆さん。
○重力を操り大都市を一瞬で壊滅させた力を地球に着陸する時にだけ使い、後はドンパチを繰り広げるだけの愚かなエイリアン。
○死ねば撤退を余儀なくされるほど重要な役割を持つ女王の危機をほったらかしにし、人間とドンパチ続けるやはり愚かな雑魚エイリアン。
↑女王が死んだところであと2分頑張れば地球を滅亡させられていたのに。
こんなものは序の口で、
とにかく思いついた展開を繋ぎ合わせただけとしか思えない酷いストーリー展開が延々続く。
アクションにしてもこの映画レベルのSFであれば、もはや幾らでも存在しており、
アクションシーンすら見せ場でなくなってしまった。
ウィル・スミスのように、
画面に映っているだけで映画を牽引していく力を持った大スター不在も痛い。
ただし、アンジェラベイビーだけはめちゃくちゃ可愛い。
前作は個人的には大好きであれやこれやの批判にも擁護してきただけに、
今作の出来は非常に残念。
実はさらなる続編を匂わせる終幕なのだが、
これならいらない。