2015年6月18日木曜日

映画:『ミュータント・タートルズ』

〜ストーリー〜
ニューヨークをフット軍団なる武装組織が襲撃。
レポーターであるエイプリルは、
彼らと戦う「正義の味方」を独自に追っていた。
ある日、エイプリルはフット軍団による犯罪に巻き込まれてしまう。
そんな彼女を救ったのは、
忍術を操る亀の4人組ーミュータント・タートルズだった!

マイケル・ベイがプロデュースに名を連ねる、有名コミックの実写映画。
これをしたい!あれもしたい!
と場のノリで思いついたシーンを無理矢理継ぎ接ぎしたかのようなストーリーで設定もガバガバ。
ご都合主義によってストーリーに連続性を持たせることすら放棄するほど脚本家の思考を停止させる何かがあったのだろうか。
元々マイケル・ベイの絡む作品には中身やストーリーがないという批判があり、
それに対して彼の作品は純粋にアクションを楽しむためのものだという割り切りを持っていたが、
今回ばかりは擁護できないほどにストーリーが酷い。

2015年6月17日水曜日

映画:『REC4/レック4 ワールドエンド』

〜ストーリー〜
バルセロナのアパートで発生したウィルス感染事件から数日。
唯一の生き残りであるアンヘラは、
彼女を救出した兵士グスマンらと共に、
リカルテ医師率いる貨物船を改造した研究施設の中にいた。
しかし、船内で突如ウィルスの感染が発生する。
アンヘラ達はリカルテの追跡と感染者の襲撃を退けながら、
施設からの脱出を試みるが…。

POV×ゾンビ映画としてスマッシュヒットを飛ばした「REC」シリーズの最終章。
3作目「ジェネシス」中盤にてPOV視点を本作ではハナから放棄。
結果、貨物船内ゾンビパニックとも形容すべき普通のゾンビ映画に成り下がってしまった。
おまけに、スプラッターシーンもほとんどない。
何とか助かったのも束の間、振り返るとそこにはゾンビが…といったこけ脅しシーンすらない。
最終章と言いながら最後のワンシークエンスを見るにつけ、
続編の製作を匂わしている節も見受けられる。
SAWやパラノーマル・アクティビティのように、
続編を作ることありきでそこらかしらの脚本を無理矢理シリーズ化するような事にならないことを切に願うばかり。

2015年6月15日月曜日

小説:長岡弘樹『線の波紋』

〜ストーリー〜
娘を誘拐された女ー。
彼女は「娘が遺体で見つかった」というイタズラ電話に悩まされていた。
会社の不正経理を隠そうと画策する男ー。
その事実に気付いていた経理部の同僚がある日遺体となって見つかる。
だが、その顔は微笑みを堪えていたという。
幼女誘拐と「微笑殺人」、2つの事件を追う女刑事ー。
2つの事件は捜査線上で一つに収束していく。

『傍聞き』が話題となった著者の長編サスペンス。
前述の3人をそれぞれ主人公としたパート、事件の再現パート、エピローグの5部構成となっており、
事件の全体像や真相そのものは再現パートとエピローグで明らかになるが、
本書が特徴的なのは事件に関係するサイドストーリーに各章でオチがつくというところ。
『傍聞き』でもそうだったが、
犯罪を題材に使いながらも、
重くなく、血生臭くなく、救いようのあるオチをつけるというのが著者の作品の特徴のようだ。
本作では、特に、エピローグにて最後の謎が明かされた時、
心にすっと爽やかな風が吹くような感覚を味わう事ができる。
もちろん、どんでん返しがあり事件の真相もなかなかのものなので、
ミステリーファンでもそうでない人でにもオススメできる。

映画:『ゴーン・ガール』

〜ストーリー〜
結婚5年目を迎えたニックとエイミー。
運命的な出会いをしたはずのふたりだったが、夫婦仲は崩壊寸前にまで冷え切っていた。
7月5日まさに5年目の結婚記念日を迎えたその日、エイミーが失踪してしまう。
有名人であったエイミーの失踪はマスコミに大々的に取り上げられ、
ニックは一躍時の人となるが、同時にあらゆる醜聞に晒されるようになる。
さらに、追い打ちをかけるように、捜査が進展するにつれてエイミー殺害の疑いが強まり、ニックはさらなる窮地に追い込まれていくのだった…。

同名のベストセラー小説を、デヴィッド・フィンチャー監督が、
ベン・アフレックと『007/ダイ・アナザー・デイ』『サロゲート』のロザムンド・パイクを迎え製作したサスペンス作品。
ロザムンド・パイクは本作で絶賛されあらゆる映画賞を受賞した。
いわゆる「悪女もの」映画で、
本作のヒロイン・エイミーが優れた頭脳による緻密な計算で、
警察やマスコミを巻き込み夫やその周りの人間を陥れていく姿が見もの。
同時に、人の人生を報道ひとつで変えてしまうマスコミの姿を揶揄するようなシーンがストーリーにスパイスを加えている。
だが、両テーマともそれほど目新しいものではないし、
個人的にはロザムンド・パイクの演技よりも、
ベン・アフレックのだらしない惚けた感じの演技の方が(本人にとてもマッチしている気がして?)良かった気がする。
ひたすら救いようのないストーリーの中で、
エイミーが唯一ミスを犯すシーンがある。
おまけに、のちのち何らかの尾を引きそうな要素を多分に含んだミスなのだが、
彼女の完璧さを際立たせるためなのか、
最後にはまったくなかったことにされている。
ここも個人的には気になったところで、
これが伏線であればまた結末も変わったのかなーと思う。

2015年6月14日日曜日

映画:『ボーン・レガシー』

〜ストーリー〜
CIAが暗殺者の養成を目的として立ち上げたプログラム「トレッドストーン計画」は、それが生み出した暗殺者ジェイソン・ボーンの手により潰える事となった。
その裏で同時に進行していた「アウトカム計画」が明るみに出る事を恐れたCIAは、訓練中の暗殺者たちを抹殺し、プログラムそのものを抹消をする計画を立てる。
アウトカム計画の被験者達には身体能力を向上させ五感を鋭敏にする特殊なウィルスが注入されていたが、副作用により一定時間ごとに青と緑、2つの薬を摂取しなくてはならなかった。
CIAの襲撃を退け生き延びる事のできたアーロン・クロスは、薬を求めて彼に実験を施した研究者マルタの元に向かう。
折しもマルタ自身の身にもCIAの魔の手が忍び寄りつつあった。

ジェイソン・ボーンシリーズの世界観を踏襲しながら、新たな主人公を迎え製作されたスピンオフ作品。
前3作と同じく3部作の構想が立てられており、今回はその第1弾。
主人公アーロン・クロスを演じるのは、ベン・アフレック監督・主演の『ザ・タウン』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、最近では『アベンジャーズ』でメンバーのひとりホークアイを熱演するなど、活躍目覚しい俳優ジェレミー・レナー。
ヒロインには『ナイロビの蜂』で映画賞を総ナメし『ハムナプトラ』シリーズや『コンスタンティン』などで主演しているレイチェル・ワイズ。
レイチェル・ワイズってちょっと独特な外見をしてるなと思っていたけど本作ではとても綺麗。
また、ふたりを追い詰めるCIAのブレーン役を、『真実の行方』『アメリカンヒストリーX』『ファイトクラブ』『インクレディブル・ハルク』のエドワード・ノートンが好演している。
で、なぜ俳優の説明を詳しくやったのかというと、これだけ重厚な俳優陣が揃っているにも関わらず、内容が地味過ぎてまったく印象に残らなかったから。
ジェイソン・ボーンの場合、身体能力が高いだけでなく、敵と戦うために凝らす工夫の数々も見所だったけど、アーロン・クロスの場合は身体能力に任せたゴリ押しが多い。
逃避行がメインのストーリーのため仕方がないところではあるが。
しかし、ジェイソン・ボーンシリーズも回を重ねるごとに格段に良くなっていったので、2作目に期待といったところか。