定職に就くことができず、
コソ泥をしながら自堕落な生活を送るルー。
ある日、彼は偶然居合わせた交通事故の現場で、
その様子を撮影する男達ー事件や事故専門のパパラッチに遭遇する。
撮影用のカメラとアシスタントを手に入れたルーはやがてメキメキと頭角を現し、次々と特ダネを飛ばす。
しかし、その取材はやがて超えてはならない一線を超え始め…。
ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ主演。
事件・事故専門のパパラッチとなった青年が、
業界のルールも法も無視した常軌を逸する取材で成り上がっていく姿をスリリングに描いたスリラー映画。
このテの映画にありがちなマスコミ・パパラッチあるいは一般大衆批判には目もくれず、
ひとりの青年の狂気とそれを助長するテレビディレクターとの「共犯関係」をひたすら描いている。
この点ではクライムムービーという見方さえ出来ると思う。
勧善懲悪ストーリーではないので、
主人公が犯した罪が裁かれることもなく、
人によってはモヤモヤした思いを抱えたまま鑑賞を終える事になるだろう。
それでも常に画面上を漂う緊張感と、
ジェイク・ギレンホールの鬼気迫る演技で最後まで引っ張ってくれる見応えのある作品。