※注意1:ドラマの中の専門用語がたくさん出てきますが、意味はスルーします。
※注意2:結構ネタバレ含んでいます。
~ストーリー~
世界のブレイン達は、
スペックホルダー殲滅のための計画、
シンプルプランの本格発動を決定した。
しかし、その裏に各国の思惑を感じ取った卑弥呼と名乗る日本の代表者はそれに反対の意を表明。
罵詈雑言を浴びせる他国のブレイン達を、セカイと同じ能力で消し去った。
一方、セカイは白い女(大人の潤)とともに、
現在のバブルをリセットするタイミング、
そして、その障害となりうる当麻が死ぬ瞬間を虎視眈々と待ち構えていた。
その頃、未詳のメンバーは、
病院から消えた里子と潤の行方を追っていた。
しかし、世界の動きに異変を感じた野々村は、
シンプルプランの発動を阻止すべく、単独行動に移った。
各国の思惑と暗躍、
当麻の両親に隠された秘密、
全ての鍵を握るプロフェッサーJという女、
当麻をはじめ未詳のメンバーの命を狙う謎のスペックホルダー。
それらが帰結する先にあるものとは…?
『ケイゾク』の続編として始まったテレビドラマSPEC。
その完結編、の前編。
さんざん広げまくった風呂敷をどう畳んで、
さんざん張り巡らした伏線をどう回収していくのか。
それらを期待して鑑賞する訳だが、
結論から言うと、
今回は"漸ノ篇"ではなく"係長ノ篇"、
そして、映画と同じ料金を支払って真の完結編である爻ノ篇の予告編を観に行った、
という表現が正確かも知れない。
初めはやたらとシーンの切り替わりが多い映画だなぁと思っていたけど、
これは恐らく伏線を全て回収しようとするとあまりに時間が長くなってしまうため、
とにかく本当に必要なシーンだけを詰め込もうとした結果だと思われる。
それでも長くなってしまうため、
いっそ丁度良いところで真っ二つに切って前後編にしてしまおう。
製作サイドの考えはこんなところだろうと思う。
映画の構成として、当然主役ふたりの活躍を後半にたっぷりと残した方が盛り上がるので、
前半で裏の主役とも言える野々村係長の活躍がクローズアップされるのは必然。
それを1本の映画として纏めたなら、そら"係長ノ篇"になりますわな。
それにしてもびっくりしのは、
映画本編終了後に爻ノ篇の予告が流れた後、
エンドクレジットもなく映画が終了したこと。
本当に真っ二つ!
上記の通りなので、
ストーリーとしてはとにかくぶつ切りな感じを受け、
決して出来が良いと言えるものではない。
長めのアクションシーンがもうワンシーンあれば、
ストーリーにメリハリがついたと思う。
幾つかの謎は解決されたが、また新たな謎も加わり、
それを爻ノ篇でどう終わらせるのかは楽しみではある。
そう、なんだかんだでこれだけ金のかかった壮大な予告編を見せられると、
否が応でも後編を観たくなってしまう。
その点で、映画の構成としても商業的な戦略としても、成功している作品と言えるかも知れない。
SPECらしいギャグシーンも結構あるのだが、
ストーリー自体が結構ダークなため、
あまり笑える雰囲気ではない。
そんな中で光っていたのは、
バナナ好きの医師を演じた渡辺いっけいと、
まさかの復活を遂げた吉川を演じた北村一輝の両名優。
また、ラッパーのバイク便など忘れかけていた小ネタも、
ドラマからのファンなら笑えない事もない。
小ネタと言えば、
香椎由宇演じる水を操るスペックホルダー、城旭斎浄海。
奇抜な外見とキャラ設定もさることながら、
"ジョジョ立ち"で未詳のメンバーの前に現れ当麻にそれを突っ込まれるという登場シーンがあるのだが、
よくよく考えると名前が城旭斎浄海(ジョウキョクサイジョウカイ)、つまり、ジョジョ。
先述したアクションシーンをもうひとつ加えるとするなら、
彼女に別の見せ場を与えても良かったと思う。
香椎由宇と言い、天の浅野ゆう子と言い、
よくこんなキャラOKしたなぁと思う。
そもそも観客の対象としているのが、
ドラマシリーズからのファン限定、一見さんお断りの作品だが、
せっかく天まで観たなら本作も観るべきだし、
本作を観たら後編を必ず観たくなると思う。
>>>後編はコチラから
2013年11月6日水曜日
2013年11月3日日曜日
小説:今邑彩『蛇神』
〜ストーリー〜
昭和52年。
蕎麦屋の若女将である日登美は、
住み込みで修行中であった少年に父と夫と息子を殺害されてしまった。
そんな折、彼女の本当の出生地であるという長野県日の本村から従兄弟を名乗る男・聖二が現れた。
彼は、彼女に村に戻ると共に、旧くから伝わる祭の巫女を務めて欲しいと要請。
日登美はこれを受け娘・春菜を連れて日の本村に赴いた。
だが、祭が近付くに連れて、
日登美は村人が隠そうとしている何かに違和感を感じ始める・・・。
時は流れ、平成10年。
恋人からプロポーズされ両家の顔合わせの日を迎えた日美香。
だが、女で一人で彼女を育ててくれた母はその日交通事故で帰らぬ人となってしまった。
失意の中、遺品を整理していた日美香は、日本の奇祭を集めた1冊の本を発見する。
それをきっかけに、日美香は、
自分の本当の母は日登美という名前で、
長野県の日の本という名の村で巫女をしていた事、
そして、彼女が殺人事件に巻き込まれ村に戻り、
その村を再び逃げるように出て行くまでの間に何かが起きた事を知る。
事件の真相とは?自分の本当の父親は誰なのか?
日美香はそれらを探るべく、日の本村に足を踏み入れる・・・。
深田恭子・北川景子主演で映画化の『ルームメイト』や『よもつひらさか』などを著作に持つ今邑彩のサスペンスホラー。
山奥の秘境の村に脈々と受け継がれる風習と奇祭に時代を超えて巻き込まれた女の姿を描いた小説。
ただ、ホラーとしては特別恐ろしい場面がある訳でもなく
サスペンスとして見てもオチが予測しやすくて、
イマイチ読み応えがなかった。
序盤にやたらと天照大神やヤマタノオロチがどうとかこうとかと詳しく解説が入るので、
伝奇小説の要素もあるのかしらと思ったけどそうでもない。
何もかもが中途半端な印象。
同じ題材なら、小野不由美の方が5倍は怖くて真相もビックリな小説が書けると思う。
元々この人の作品って、直球(ホラーなら怖がらせることやビックリさせることに主眼を置く)よりかはやや変化球よりの作品が多いけど、今作においてはちょっと悪い方に色が出てしまったと思う。
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