2015年10月31日土曜日

小説:荻原浩『砂の王国』

〜ストーリー〜
エリート証券マンからホームレスに転落した山崎は、
占い師の龍斎と容姿端麗なホームレス仲村と出会い、
人生を逆転させる妙案を思い付く。
それは、宗教団体を作ることであった。
3人が立ち上げた「大地の会」は順調に規模を拡大し金を生み出していくが、
会員が増えていくのに従って徐々に綻びが生じ始める…。

『オロロ畑で捕まえて』『明日の記憶』『噂』など、
幅広いジャンルで才能を発揮する小説家・荻原浩による長編小説。
ストーリーはホームレス期・創立期・転換期の主に3部構成により成り立っており、
山崎の過去や心理を深く描写する事で、
人生の逆転の道を進みながらも苦悩にもがく人間の姿と、
彼を取り巻く心に何かを抱えた人々の人間模様を描くヒューマンドラマが展開される。
他方で、様々な思惑の元、
肥大化する組織がその性質を変容させていき、
ややもすれば暴走し危険性を孕んでいく様子も描かれる。
宗教団体の暴走というと日本人にとってはアレルギーすら引き起こしかねないテーマであり、
本作においては主題には添えられていないが、
不吉なものを予感させる少し怖い作品ともなっている。
相変わらず著者の文章は読みやすく、
文庫本にして上下2巻の大作であるが時間を忘れて読書に没頭できる。

2015年10月30日金曜日

映画:『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』

〜ストーリー〜
核戦争により荒廃した近未来。
元警官のマックスは過去のトラウマと対峙しながら、
愛車V8インターセプターで荒野を走る日々を送っていた。
ある日、暴徒に襲撃されたマックスは、
イモータン・ジョー率いるシタデル砦に連行され、
疾病を患う住民たちのために血液を提供するために拘束される。
そんな中、バッサ大佐は自身の出生地である「緑の地」にジョーが監禁している女性達を逃す計画を立てていた。
とある偶然によりシタデルからの脱出を果たしたマックスは、
バッサ大佐と共に緑の地を目指すが…。

マッド・マックスシリーズの監督でありながら、
ベイブやハッピーフィートシリーズみたいな可愛らしい作品の製作・脚本も務めるジョージ・ミラー監督のマッド・マックスシリーズ最新作。
主演にトム・ハーディとシャーリーズ・セロン。
北斗の拳よろしく世紀末ヒャッハー!感満載の本作。
上映時間の多くをド迫力のアクションシーンに割きながらも、
要所要所でセンチメンタルなストーリーも織り交ぜ、
まったく飽きを感じさせないエンターテイメント作品となっている。
強いて難点を挙げるとすれば、 
どのキャラクターも個性が強くて、
主人公のマックスの存在感が薄いところか。

2015年10月25日日曜日

雑記:牛久大仏

映画『下妻物語』において何かと存在感を放つ大仏様。
世界一高いブロンズ立像としても有名。
とにかくデカい。
不安を覚える人すらいるんじゃないかと思う。
ただ、展望台からの景色はただの田舎の風景。