2016年9月7日水曜日

映画:『ヴィクター・フランケンシュタイン』

〜ストーリー〜
優れた頭脳と人体に関する深い知識を持ちながら、
サーカスのピエロとして暮らす「せむし男」。
ある日、曲芸中に事故を起こした団員に対し、
的確な洞察を持って処置に当たった彼の元にひとりの男が現れる。
男の名はヴィクター・フランケンシュタイン。
ヴィクターはせむし男を助手に迎え、
彼がライフワークとする無からの生命の創造の研究を推し進めようとするが…。

古典ホラーの代表作フランケンシュタインを、
『ウォンテッド』『X-MEN』シリーズのジェームズ・マカヴォイと、
『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフを主演に迎え制作された作品。
主人公の名前と生命を創造するというプロットを拝借しただけの完全オリジナルストーリー。
キャラクターの描き方が浅い、
怪物は感情のないただのバケモノ、
ご都合主義に満ち行き当たりばったりのストーリー展開と、
良い所がまったくない。
また、原作にあった登場人物や怪物の抱える苦悩や悲哀といったものも一切感じられない。
見所はせむし男と呼ばれサーカスで働いていた時のダニエル・ラドクリフの演技くらい。
よく人気ホラー映画の続編を作るために、
イマイチな脚本を無理矢理アレンジして制作するということがあるが(例えばソウシリーズのように)、
ハナからそのつもりでフランケンシュタインの設定と主演のふたりを起用すれば売れるんじゃないかという浅はかな考えで作られたんじゃなかろうか。
制作費が回収できず日本でもビデオスルーされた理由がよく分かる。

2016年9月5日月曜日

映画:『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』

〜ストーリー〜
マジシャン集団「フォー・ホースメン」が大富豪アーサーの保険会社の欺瞞を暴き2年が経った。
行方をくらましていた彼らの元に秘密組織「アイ」から、
とある企業が生み出したあらゆる情報にアクセスできるチップの存在を明るみにせよとの指令が下る。
任務は順調に進みいよいよショーによる種明かしに入ったのもつかの間、
何者かの介入によりトリックは失敗。
ニューヨークにいたはずの彼らはいつの間にかマカオに移動していた。
そこには、1年前に死んだはずのエンジニア・ウォルターがおり、
彼らにチップを盗み出すように命じる。
命令に従うフリをしながらもウォルターを出し抜こうとするホースメンだったが、
ウォルターの「科学の力」の前にことごとく失敗、命の危険にさらされる。
その頃、アイとの連絡係であり、
FBIの立場を利用しながら彼らのサポートを続けてきたローズ捜査官の元に、
彼が逮捕したサディアスから連絡が入る。
サディアスは、ホースメンを助けるために自分を監獄から連れ出せという取引のためにローズを呼び出したのであった。
誰が味方で誰が敵なのか、
疑心暗鬼のままホースメンとローズら5人は新年を迎えようとするロンドンで最後のショーに挑む。

2013年公開の佳作エンターテイメント映画『グランド・イリュージョン』の続編。
ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、モーガン・フリーマンら主要キャストはほとんどが続投し、
新たな敵役を「ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフが演じている。
前作はホースメンの存在自体が謎に包まれた集団という描かれ方をしており、
要所要所で大掛かりなマジックを披露することでその存在感を示していたが、
今作はマジックを利用して困難な任務を遂行していく様を描くシーンが中心となっており、
マジックを使えるエージェントによるスパイ映画の様相を呈している。
ホースメンとウォルター、ローズとサディアスの裏のかき合いもスパイ映画的。
前作から引き続きご都合主義によりポンポンことが進んでいくが、
今回は敵もご都合主義を駆使してくるので、
細かいことは気にせずに正義のマジシャンと悪の科学者の化かし合いを楽しめばオッケー。
テンポも相変わらず良過ぎるほどなので最後まで飽きも来ない。
また、物語に前作のストーリーが深く関わってくるため、復習は必須。
で、なければ、
なんで主人公たちがこんな目に遭っているのかすら分からぬまま、
ハイスピードな展開に取り残されることになってしまう。

2016年9月4日日曜日

映画:『X-MEN:アポカリプス』

〜ストーリー〜
古代エジプトで封印されたミュータントの始祖アポカリプス。
4千年の時を越え、
現世に復活した彼は文明の堕落を憂い新たな世界を構築することを決意。
マグニートーやストームらをスカウトし、
「黙示録の四騎士」を結成する。
蘇ったアポカリプスを倒すべく「恵まれし子らの学園」のミュータント達は戦いに挑むが、
彼の狡猾な罠により壊滅の危機を迎える。

『ウォンテッド』などのジェームズ・マカヴォイ主演のX-MEN3部作の最終章。
ヴィランに選ばれたのは原作でも圧倒的なパワーでX-MENを苦しめたアポカリプス。
旧3部作と比較するとストーリーやキャラクターの背景を丁寧に描いている新シリーズだが、
アポカリプスが新黙示録の四騎士を結成するまでのシーンが無駄に細かく描かれ序盤はかなり退屈。
中盤恵まれし子らの学園崩壊辺りからようやくストーリーが盛り上がり始めるが、
アポカリプス自体の強さが前作で世界を滅亡の危機に陥れたセンチネルはおろか、
能力は異なれど同じくらいの破壊力を持つマグニートーと比較してもそれほど大差がなく見えるため、
いまいちテンションが乗り切らない。

旧3部作、ウルヴァリンシリーズを含め、
一部を除いて肩透かしを喰らいがちのX-MENシリーズ。
そろそろスパイダーマン同様映画の版権をマーベルに戻して欲しいと考えるのは私だけ?

漫画:『アルティメッツ2』

〜ストーリー〜
アルティメッツ結成から1年。
その活動に疑問を抱きチームを脱退したソーの元に、
弟ロキが牢獄から脱獄したという知らせが入る。
時を同じくして、
国家機密とされていたはずのハルクの正体のリーク、
キャプテン・アメリカによるホークアイ一家殺害容疑など、
チームの中に徐々に軋轢が生まれ始め、
さらに新たに登場した敵の手によりアメリカ全土がその支配下に置かれる事態が発生する。

映画『アベンジャーズ』原作コミックの第2弾。
世界観・登場するヒーローの数ともに大幅に拡がりを見せ、ますますボリュームアップ。
最終決戦の様子は三つ折り×2で6ページ分見開きというポスター並の紙面で展開されるというおまけページ付き。
また、ロキやウルトロンの登場など、
前作に引き続き映画に引用された設定が多数存在している。
規模が拡大した分、
キャラクターもスポット参戦を含めれば何倍にも増え、
ストーリー展開のスピードもかなりアップしているため、
物語についていくのがかなり大変。
少なくとも前作の復習とX-MENに関するある程度の予備知識はあった方が良い。