2014年3月3日月曜日

映画:『ゼロ・グラビティー』

〜ストーリー〜
医療技師でありながら宇宙飛行士となったライアン。
指揮官であるマットと船外活動を行っていたさなか、
ロシアが破壊した人工衛星の破片がステーションに直撃し、
ライアンは宇宙空間に放り出されてしまう。
パニックに陥りつつも機転を利かせなんとかマットと合流したライアンは、
他の宇宙ステーションにある脱出艇を求め宇宙空間をさ迷うが、
その間にも人工衛星の破片は地球を周回していた…。

『天国の口、終りの楽園。』といったミニシアター系作品から『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』といったファンタジー大作まで、
あらゆるジャンルの作品をこなすアルフォンソ・キュアロン監督が、
サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニーをキャストに迎え製作したSFパニック。

雪山やら鮫の棲息する海やらロッククライミング中の事故やら、
孤立無援で極限状況下に置かれるパニックものは数多くあれど、
その舞台を宇宙空間に置き新境地を開いた作品。
宇宙や無重力の映像表現は素晴らいし、
50歳のおばちゃんにも関わらず、
身体をクルクルクルクル回転させらたサンドラ・ブロックの撮影中の労苦が偲ばれはするものの、
ストーリー自体は危機→脱出→危機→脱出の繰り返しで単調なものだし、
ややご都合主義的な展開が散見される。
(例えば、これだけの惨事にも関わらず、脱出艇だけは毎度無事とか)
主人公ライアンのとある過去のエピソードも蛇足的でしかなく、
どうせならより掘り下げることで危機を脱出する強い意思の裏付けとするか、
いっそ無しにしてパニックに陥る人間の姿を描く事に主軸を置いた方がエンターテイメント性は上がったと思う。
このような点を抜きに単にパニックものとして楽しむにしても、
3D鑑賞するか大画面で鑑賞するかしないと、
単にDVDやBRだけでは映像表現も堪能できないかも。