2013年11月3日日曜日

小説:今邑彩『蛇神』

〜ストーリー〜

昭和52年。
蕎麦屋の若女将である日登美は、
住み込みで修行中であった少年に父と夫と息子を殺害されてしまった。
そんな折、彼女の本当の出生地であるという長野県日の本村から従兄弟を名乗る男・聖二が現れた。
彼は、彼女に村に戻ると共に、旧くから伝わる祭の巫女を務めて欲しいと要請。
日登美はこれを受け娘・春菜を連れて日の本村に赴いた。
だが、祭が近付くに連れて、
日登美は村人が隠そうとしている何かに違和感を感じ始める・・・。

時は流れ、平成10年。
恋人からプロポーズされ両家の顔合わせの日を迎えた日美香。
だが、女で一人で彼女を育ててくれた母はその日交通事故で帰らぬ人となってしまった。
失意の中、遺品を整理していた日美香は、日本の奇祭を集めた1冊の本を発見する。
それをきっかけに、日美香は、
自分の本当の母は日登美という名前で、
長野県の日の本という名の村で巫女をしていた事、
そして、彼女が殺人事件に巻き込まれ村に戻り、
その村を再び逃げるように出て行くまでの間に何かが起きた事を知る。
事件の真相とは?自分の本当の父親は誰なのか?
日美香はそれらを探るべく、日の本村に足を踏み入れる・・・。


深田恭子・北川景子主演で映画化の『ルームメイト』や『よもつひらさか』などを著作に持つ今邑彩のサスペンスホラー。
山奥の秘境の村に脈々と受け継がれる風習と奇祭に時代を超えて巻き込まれた女の姿を描いた小説。
ただ、ホラーとしては特別恐ろしい場面がある訳でもなく
サスペンスとして見てもオチが予測しやすくて、
イマイチ読み応えがなかった。
序盤にやたらと天照大神やヤマタノオロチがどうとかこうとかと詳しく解説が入るので、
伝奇小説の要素もあるのかしらと思ったけどそうでもない。
何もかもが中途半端な印象。
同じ題材なら、小野不由美の方が5倍は怖くて真相もビックリな小説が書けると思う。
元々この人の作品って、直球(ホラーなら怖がらせることやビックリさせることに主眼を置く)よりかはやや変化球よりの作品が多いけど、今作においてはちょっと悪い方に色が出てしまったと思う。

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