2013年11月6日水曜日

映画:『SPEC 結 漸ノ篇』

※注意1:ドラマの中の専門用語がたくさん出てきますが、意味はスルーします。
※注意2:結構ネタバレ含んでいます。



~ストーリー~

世界のブレイン達は、
スペックホルダー殲滅のための計画、
シンプルプランの本格発動を決定した。
しかし、その裏に各国の思惑を感じ取った卑弥呼と名乗る日本の代表者はそれに反対の意を表明。
罵詈雑言を浴びせる他国のブレイン達を、セカイと同じ能力で消し去った。

一方、セカイは白い女(大人の潤)とともに、
現在のバブルをリセットするタイミング、
そして、その障害となりうる当麻が死ぬ瞬間を虎視眈々と待ち構えていた。

その頃、未詳のメンバーは、
病院から消えた里子と潤の行方を追っていた。
しかし、世界の動きに異変を感じた野々村は、
シンプルプランの発動を阻止すべく、単独行動に移った。

各国の思惑と暗躍、
当麻の両親に隠された秘密、
全ての鍵を握るプロフェッサーJという女、
当麻をはじめ未詳のメンバーの命を狙う謎のスペックホルダー。
それらが帰結する先にあるものとは…?


『ケイゾク』の続編として始まったテレビドラマSPEC。
その完結編、の前編。
さんざん広げまくった風呂敷をどう畳んで、
さんざん張り巡らした伏線をどう回収していくのか。
それらを期待して鑑賞する訳だが、
結論から言うと、
今回は"漸ノ篇"ではなく"係長ノ篇"、
そして、映画と同じ料金を支払って真の完結編である爻ノ篇の予告編を観に行った、
という表現が正確かも知れない。

初めはやたらとシーンの切り替わりが多い映画だなぁと思っていたけど、
これは恐らく伏線を全て回収しようとするとあまりに時間が長くなってしまうため、
とにかく本当に必要なシーンだけを詰め込もうとした結果だと思われる。
それでも長くなってしまうため、
いっそ丁度良いところで真っ二つに切って前後編にしてしまおう。
製作サイドの考えはこんなところだろうと思う。
映画の構成として、当然主役ふたりの活躍を後半にたっぷりと残した方が盛り上がるので、
前半で裏の主役とも言える野々村係長の活躍がクローズアップされるのは必然。
それを1本の映画として纏めたなら、そら"係長ノ篇"になりますわな。

それにしてもびっくりしのは、
映画本編終了後に爻ノ篇の予告が流れた後、
エンドクレジットもなく映画が終了したこと。
本当に真っ二つ!


上記の通りなので、
ストーリーとしてはとにかくぶつ切りな感じを受け、
決して出来が良いと言えるものではない。
長めのアクションシーンがもうワンシーンあれば、
ストーリーにメリハリがついたと思う。
幾つかの謎は解決されたが、また新たな謎も加わり、
それを爻ノ篇でどう終わらせるのかは楽しみではある。
そう、なんだかんだでこれだけ金のかかった壮大な予告編を見せられると、
否が応でも後編を観たくなってしまう。
その点で、映画の構成としても商業的な戦略としても、成功している作品と言えるかも知れない。
SPECらしいギャグシーンも結構あるのだが、
ストーリー自体が結構ダークなため、
あまり笑える雰囲気ではない。
そんな中で光っていたのは、
バナナ好きの医師を演じた渡辺いっけいと、
まさかの復活を遂げた吉川を演じた北村一輝の両名優。
また、ラッパーのバイク便など忘れかけていた小ネタも、
ドラマからのファンなら笑えない事もない。
小ネタと言えば、
香椎由宇演じる水を操るスペックホルダー、城旭斎浄海。
奇抜な外見とキャラ設定もさることながら、
"ジョジョ立ち"で未詳のメンバーの前に現れ当麻にそれを突っ込まれるという登場シーンがあるのだが、
よくよく考えると名前が城旭斎浄海(ジョウキョクサイジョウカイ)、つまり、ジョジョ。
先述したアクションシーンをもうひとつ加えるとするなら、
彼女に別の見せ場を与えても良かったと思う。

香椎由宇と言い、天の浅野ゆう子と言い、
よくこんなキャラOKしたなぁと思う。

そもそも観客の対象としているのが、
ドラマシリーズからのファン限定、一見さんお断りの作品だが、
せっかく天まで観たなら本作も観るべきだし、
本作を観たら後編を必ず観たくなると思う。


>>>後編はコチラから

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