脳に深刻な病を抱えるデレクと映像作家のクリフは、
1年間世界一周しその様子を『Ends of the Earth』というブログにアップする旅に出る事にした。
7日目、クリフはパリのパブで美女をナンパし、
ホテルの部屋に連れ込むことに成功する。
しかし、お楽しみを邪魔しようとクリフが部屋に突入すると、
そこには血だらけの姿となったデレクがいた。
次の日からデレクは異常な身体能力を身につけた代わりに、
食べ物や陽の光を受け付けず血のみを受け付ける体質となってしまう。
デレクは全ての始まりである女・オードリーを探すため、パリの夜を駆け回るが…。
POV形式の吸血鬼もの映画。
POVとは言え、
映画前半はブログにアップするドキュメント映像という色合いが強く、
POV映画にありがちな映像酔いを感じる事はほとんどないだろう。
前半でデレクとクリフそれぞれの性格や彼らの友情、
また、本作における吸血鬼のルールが丁寧に描かれる。
そして、とあるシーンを境に世界観が一気に暗転し、
そこからはデレクが少しずつ変化する自分に恐怖し苦悩を抱えながらも、
オードリーを見つけるためにパリの夜を暗躍するという、
非常に緊迫感のあるシーンが続く。
後半は、前半に比べるとPOV色がかなり高まるが、
動と静をうまく切り替える画面構成のおかげで、
難なく鑑賞する事ができる。
アクション性の高い作品でもあり、
デレク目線で自らに襲いかかってくる敵と戦うシーンは、
遊園地の3Dアトラクションのようでもある。
ドラマ性が高く、エンターテイメント性も十分に高い、オススメできる作品。
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