2016年5月30日月曜日

小説:深木章子『衣更月家の一族』

〜ストーリー〜
別居中の夫からストーカー被害を受ける妹を匿う姉。
とある秘密を抱えかつての恋人と結婚を余儀なくされた女。
父の事業の失敗により暴力団の裏稼業に引き込まれた男。
一見何ら関係がない彼らの周りで起きた殺人事件が、
元刑事の私立探偵・榊原の手により繋がっていく。

『鬼畜の家』の深木章子の2作品目にして、
私立探偵・榊原シリーズの第2弾。
絡まった謎の糸が終盤でしゅるしゅると解けていく快感を本作でも味わうことができる。
ただ、『鬼畜の家』ほど伏線がしっかり張られている訳ではないので、
推理する楽しみはやや減った印象。
それでも十分に読後の満足は得られるが。

ドロドロとした家族像の描写も相変わらず秀逸。
元弁護士である著者だが、
やはり色々な家族を見てきたのだろうか…。

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