2016年10月12日水曜日

映画:『ジェイソン・ボーン』

〜ストーリー〜
CIAの監視の目をかいくぐり、
アテネに潜伏していたジェイソン・ボーンの元に、
かつての同僚ニッキーが現れる。
彼女はCIAのデータベースをハッキングし、
かつてボーンが白日の下に晒したトレッドストーン計画に関するさらなる真実と、
新たな計画アイアンハンドの情報を入手し、
それを阻止するようボーンに依頼する。
ニッキーの動きを突き止めた女性分析官リーは、
ふたりを確保するチームの指揮を執ることを志願するが、
長官デューイは並行してボーンに私怨を持つ凄腕の作戦員アセットを召還し、ボーンの暗殺を目論む。

「ボーンシリーズ」としては『ボーン・レガシー』以来4年ぶり、
また、ジェイソン・ボーンを主人公とした作品としては9年ぶりのシリーズ最新作。
主演はもちろんマット・デイモンが務め、
ニッキー役のジュリア・スタイルズも続投。
また、新たに、
トミー・リー・ジョーンズとヴァンサン・カッセル、
そして、『アンナ・カレリーナ』などの新鋭アリシア・ヴィキャンデルらが主要キャストに名を連ねる。

スピンオフでついたケチを払拭すべく、
主人公の名前を映画のタイトルとし、
観客や興行収入などあらゆる面の期待に応えようとする気概で制作されたは認めるが、
全体的な出来としては残念ながら旧3部作に及ばなかったと言わざるを得ない。

ボーンシリーズと言えば、
手持ちカメラによる臨場感に溢れた鍛え上げられた肉弾戦による格闘や、
その場にある道具を使って危機を切り抜けるというジャッキー・チェンが得意としそうな頭脳プレーが魅力のひとつ。
しかし、本作のアクションは、
まず半分以上がバイクか車によるチェイスに費やされている。
こりゃマイケル・ベイかワイルドスピードか?
そして、格闘のほとんどはヴァンサン・カッセル扮するアセットが担当しており、
しかもこれが誰であろうとどんな場所でも銃でスパスパ処理していくため、
まったく暗殺の要素がなくむしろ観ている側が後処理が心配になってしまうほどやることが荒い。
ヴァンサン・カッセルの見せ場を作るためでもあると思うが、
いくらなんでもやり過ぎである。

ストーリー面においても、
○トレッドストーンに関する新たな真実が後付け臭い。
○アイアンハンド計画も既に他の映画でさんざん使い古されたアイディアである。
○セキュリティゆるゆるガバガバのCIA。
など、粗が目立つ。

アクション映画単体として観た場合には及第点ではあるが、
ジェイソン・ボーンというキャラクターか、
マット・デイモンによほどの思い入れがなければ、
シリーズのファンには厳しい作品かも知れない。

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