2015年5月4日月曜日

映画:『ザ・ウォード 監禁病棟』

〜ストーリー〜
放火の罪に問われ、
精神病院の監禁病棟に入院させられたクリステン。
彼女の周りでは怪奇現象が発生し、
やがて共同生活を送っていた4人の少女もひとりひとりその姿を消していく。
ある日、アリスという少女の影が事件の背後にある事を知ったクリステンは、
自らの命を守るために病院からの脱出を企てる。

『遊星からの物体X』や『ハロウィン』のジョン・カーペンター監督が、
10年ぶりにメガホンを取ったことで話題になったホラースリラー。
・怪しげな医師と看護師
・物語のキーとなるとある入院患者
・見ているものは怪奇現象という現実か、それとも妄想なのか?
という、精神病院を舞台としたスリラーによくある要素が一通り揃った作品。
ホラー要素もありそれほど退屈せずに鑑賞はできるのだが、
現実とそうでない部分が演出上ではっきりと分けられていないシーンがいくつかあり、
せっかく真相が明らかになったのに、
「じゃああのシーンっておかしくないか?」とモヤモヤさせられてしまった。

2015年4月14日火曜日

小説:小林泰三『玩具修理者』

〜ストーリー〜

『玩具修理者』
どんな壊れた玩具でも治してしまう男がいた。
弟を死なせてしまった「彼女」は、
その亡骸を抱えて玩具修理者の元に向かった…。
「彼女」が「わたし」に語る奇想天外な話は思いもよらぬ結末を迎える。

『酔歩する男』
ある日、血沼は居酒屋で小田という男と出会う。
血沼にはまったく覚えがなかったが、
小田は彼の事をよく知っていると言う。
やがて、小田の口からふたりとひとりの女の因縁が語られる…。


ホラー・SF・叙述トリックの鬼才・小林泰三のデビュー作かつ日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作と、
1編の長編を含む作品集。
著者お得意のグロ描写の緻密さは既にその片鱗を見せかけているが、
その後の作品と比べればそれほどキツいものではない。
最後のどんでん返しの衝撃は相当なもので、
叙述トリックとして読んでみても十分及第点に達している。
『酔歩する男』は時間と記憶をテーマとしたSF作品でありやや難解。

2015年3月23日月曜日

映画:『ミスト』

〜ストーリー〜
濃い霧が街を突如包み込んだ。
スーパーマーケットに逃げ込んだ人々は、
霧の奥を異形の化け物が闊歩している事を知る。
やがて、人々の間に疑心と対立が生まれ、
主人公らは外へ逃げ出す事を決意するが…。

スティーブン・キング原作のホラー映画。
B級ホラー感満載のストーリーだが、
ゾンビ映画よろしく極限状況下に置かれ、
心の拠り所をなくした人間の姿はそれなりの見もの。
だが、この映画の全ては、
原作者のスティーブン・キングが舌を巻いたという映画オリジナルのエンディングに尽きる。
「後味の悪い映画」「どんでん返しのある映画」では必ずと言って過言ではないほどよく挙げられる映画だが、その看板に誤りはない。
たった3分程度のワンシークエンスで世界が暗転するエンディングに注目。

映画:『猿の惑星 新世紀ライジング』

〜ストーリー〜
人類と知能を持った猿との争いから10年。
猿インフルエンザの流行により絶滅の危機に瀕した人類は、
エネルギー源を求め猿のテリトリーに踏み込む。
人間を信用しようとするシーザーだったが、
それを快く思わない者もおり、
人類と猿のみならず、猿達の間にも不穏な空気が流れ始める。

『猿の惑星』前日譚を描く新シリーズ2作目。
それぞれの思いと思惑をもって対立する3つのグループが織り成すストーリーは非常が重厚かつ悲哀をもって描かれている。
あたかもギャング映画を観ているよう。
CG・アクションとも前作よりパワーアップ。
仮に3部作とすると、
次回のクライマックスではいよいよ人間と猿の闘いに終止符が打たれ、
自由の女神が砂に埋もれるのかしら。

2015年1月18日日曜日

映画:『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

〜ストーリー〜
謎の生命体ギタイの襲撃により人類は滅亡の危機に瀕していた。
広報担当だったケイジ少佐はトラブルから前線に送り出され、
あっけなく命を失ってしまう。
だが、次の瞬間目覚めた彼がいたのは出撃前日の基地だった。
タイムリープ能力を手に入れた彼は、
命のリセットを繰り返しながら戦闘能力を身につけていく。

日本のライトノベルが原作のSFアクション映画。
トム・クルーズと『プラダを着た悪魔』『アジャストメント』のエミリー・ブラント主演。
ストーリーのテンポも良く、アクションシーンの迫力も十分。
だが、ストーリー展開はニコラス・ケイジの『NEXT』に似ているし、
敵の本拠地に乗り込むシーンなどは『マトリックス・レボリューションズ』のラストに酷似している。

2015年1月17日土曜日

映画:『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』

~ストーリー~
冴えない青年ティムは、
21歳の誕生日に父親から、
彼の一族には過去に戻るタイムトラベルの能力を持っているという事を告げられる。
彼は能力を駆使して人生のリセットを繰り返し、
順風満帆な生活を送っているように思われたのだが、
やがて避けられない運命のターニングポイントに直面すると共に、
人生において大切な事が何なのかに気付き始める…。

『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーライル監督作品。
タイムトラベルにより人生のリセットを繰り返す男の姿を描いたヒューマンドラマ。
「特別な力を持つからと言って幸せな人生を送る事はできない」
「平凡で退屈な人生の素晴らしさ」
といったテーマに特に目新しさはない。
むしろ、映画前半、能力を駆使して好きな女の子をゲットしようと奔走するシーンに人間らしさを感じられ楽しく鑑賞が出来た。

現在の記憶を残したまま過去に戻る事が出来るというチート能力だが、
それは、過去に戻る度に戻った分と同じだけの年月の人生を繰り返さなければならないという事であり、
(映画の構成上仕方はないが)それを無視して何度も人生をリセットする、
あるいは、人生が目論見通りに進んでいくという点にはご都合主義的なものを感じた。
同じ時空改変ものの『バタフライ・エフェクト』の素晴らしさを再認識。
主演は、ハリー・ポッターシリーズのドーナル・グリーソンと、
シャーロック・ホームズシリーズのレイチェル・マクアダムズ。
また、パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズで、
ディヴィ・ジョーンズを怪演したビル・ナイと、
ベケット卿を演じたトム・ホランダーが脇を固める。