2013年6月23日日曜日

映画:『ダークナイト ライジング』

~ストーリー~
稀代の犯罪者ジョーカーがゴッサムシティを恐怖に陥れてから8年の月日が流れた。
犯罪者を厳しく取り締まるデント法により、ゴッサムシティの犯罪率は激減していた。
だが、その秘密を知るウェインは身も心もボロボロのまま屋敷に引き籠り続けていた。
また、ゴードンも犯罪のないゴッサムシティではもはや「過去の人」であった。
だが、ふたりはある事をきっかけにベインという男がゴッサムシティを再び恐怖に陥れようとしている事を知る。

事前にビギンズとダークナイトの鑑賞は必須。
ストーリーの深さだけならダークナイトに軍配が上がるかも知れないが、
観客の感情を動かすという意味では本作の勝ち。
3部作の締め括りとして、これ以上ないものになっていると思う。
実際映画館にて上映終了後の観客の反応も興奮冷めやらぬといった感じの人が多いように思われた。
これは、結局のところ、バットマンがヒーローであるという事に尽きる。
どれだけ絶望に陥っても何度でも立ち上がって、最後には街を救ってくれる。
その姿に観客は共感し、主人公と同じ時の流れと感情を共有し、最後に悪をやっつけた気分になり、スッキリして帰る。
ヒーローものの醍醐味であり、本作はこれをとことん見せつけてくれる。
よくよく考えるとダークナイトは話は巧いけどこれがない。
ひたすらバットマンを突き落としていく。
しかし、本来のバットマンが上記したような英雄譚である事を考えると、
ダークナイトですら今作の前座にしか見えてくるからあら不思議。
とは言え、どちらが良いとか悪いとかの問題ではなく、
そもそもの性質が異なる作品であるという事だけなので、
いよいよシリーズがラストを迎えるという事で素直に鑑賞すればOK。
ただ、絶望の見せ方が半端ないのと、伏線がものすごく多いのと、
核から独裁政治からアメリカのテロ対策まで含まれているテーマが多過ぎるため、非常に疲れる。
実はアクションの数はかなり控えめなのだが、
ラスト20分のバトルは3部作の集大成とも言えるほどの大迫力。
キャットウーマンがくだんのバットマン専用バイクに乗って街中でバットモービルとチェイスするところなんてニヤニヤが止まりません。

新キャストとしては、
キャットウーマン役のアン・ハサウェイはミシェル・ファイファーに劣らず十分魅力的だったし、
『インセプション』からの登用組である、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(ディカプリオの相方だった人)、マリオン・コティヤール(ディカプリオのトラウマである妻を演じていた人)、トム・ハーディ(変身が得意だった人)らにそれぞれ大変重要な役柄が与えられており、
『インセプション』ファンなら違った意味でも楽しめると思う。

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